井ゲタ竹内|味付もずく・淡塩さばなどの製造販売


撮影:古谷千佳子


サンゴを増やして自然再生のお手伝い

美味しいもずくは美しいサンゴ礁と豊かな海で育ちます。




沖縄はサンゴの宝庫

沖縄海域で生育するサンゴは約340種と日本の中で最も多く、サンゴの宝庫です。沖縄は回遊魚の通り道となっており、沖縄のサンゴの海で育った多種多様な生物は、対馬海流や黒潮にのって本州へと運ばれます。沖縄のサンゴは、日本の豊かな海を育む大切な役割を担っています。


サンゴの白化現象

今、サンゴの白化現象が問題になっています。

沖縄のサンゴは、地球温暖化による海水温上
昇で、サンゴが死ぬ「白化現象」が頻発し、
危機的状況になっています。



↑白くて一見きれいに見えるかもしれませんが、これらの白いサンゴは死んでいます。


サンゴの白化現象
(海水温が30℃以上で起こる)
度々起こるサンゴの白化現象で
産卵できるサンゴが減少。

サンゴの死滅は世界に広がり
恩納村ではサンゴの8割の
サンゴが被害を受けました。

1998年  地球規模で白化発生
2001年  沖縄海域で白化発生
2016年  地球規模で白化発生
2017年  地球規模で白化発生


沖縄諸島のサンゴ礁生態系は危機的状況



恩納村漁協でのサンゴ礁を育てる取組み


恩納村の海がサンゴの白化で大きな影響を受けた
ことから、恩納村漁協では、以前の里海を取り戻
すために2010年以前よりサンゴの養殖にチャレン
ジしてきました。当初は学者や研究者の理解を得
られず資金の支援もなく自費でサンゴの養殖技術
を開発し続け、海人の海の仕事の経験から恩納村
漁協独自の「ひび建て養殖方式」を開発しました。
いまでは、学者もその効果の高さを認め、その活
動もたくさんの人に理解と共感をいただき、多く
の方の協力を得ることができるようになりました。


沖縄本島のほぼ真ん中に位置する恩納村は、沖
縄全体にサンゴの幼生をいきわたらせるのに適
した潮流があります。恩納村漁協では植え付け
をすることで親サンゴを育て、海流にのせて沖
縄海域にサンゴの幼生を届けています。


サンゴはもずく養殖に必要不可欠な存在であり
ます。栄養分や酸素をつくり出すサンゴは、いわ
ば海の基礎生産力です。サンゴがなくなれば、
海の生物の25%が死滅し、海中の透明度や栄
養塩が減少してしまい、もずくの養殖もで
きにくくなります。サンゴともずくはとても
大切な関係なのです。




【360度動画サンゴの苗づくり・植え付け作業

サンゴの植え付けの流れ



サンゴの苗を陸上施設内で育てます

恩納村漁協は沖縄県から特別に許可を得て適正にサンゴを採取し、漁協内に設置された養殖場でサンゴを育てます。

恩納村漁協内のサンゴ養殖施設

サンゴの破片(苗木)

サンゴの破片(苗木)をさし木のように基盤に設置します。

サンゴが基盤に定着するまで水槽内で育てます。

撮影:古谷千佳子


サンゴを養殖施設から海中へ戻します

基盤に固着されたサンゴを、海中へ植え付けます。
恩納村漁協では、平成11年より、恩納村独自の「ひ
び建て方式」※という方式でサンゴの植え付けに取
り組んでいます。

※ひび建て方式とは…写真のように海底からポール
を建て、その上で植え付けたサンゴを育てる方式です。


(1)サンゴを設置するために土台をつくります

ポールを設置

保護カゴを設置

ひび建て方式のメリット
(1) 海底より高い位置で育てるため、水温の変化に対して影響をうけにくい。

(2) 海水の環境が悪くなった時(高温など)ポールごと、移動が可能。

などがあげられます。
(2)サンゴを設置します

設置した土台に基盤ごとサンゴを設置

設置されたサンゴ

(3)魚による食害を避けるため、防護用のネット(保護カゴ)を取り付けます

保護カゴを取り付け

植え付けされたサンゴの森

(4)大きくなったら保護カゴをはずします

保護カゴをはずします



成長したサンゴ

海の生き物には、サンゴを食べるもの、サンゴ礁を
棲みかにするものなど、サンゴを頼って生活する
ものがいます。サンゴが増えることは、多様な生
き物を育むことにつながります。



累計46,000本以上のサンゴの植え付けをすることができました。(2023年時点)

サンゴの植え付け本数は、全国の皆様のご協力で
46,000本を超えました。これは養殖サンゴでは
世界一の規模になります。

特に生存率は他の再生方式に比べで圧倒的に
高く、この持続可能な取組みは世界から注
目されています。また、46,000本のサンゴが
増えたおかげで、約120万匹の魚が増えまし
た。(※沖縄県の調査による推定値)

46,000本のサンゴからは約51億個の幼生が生
まれることになります。(サンゴ1本から約
12万個)全国の皆様の共感とご協力の賜物で
、恩納村のサンゴは7割近くまで再生してき
ました。

撮影:古谷千佳子

自然再生の始まり(産卵)

陸上で育てたサンゴは、海に戻して3~5年で卵を
産みます。その卵が元気に育って、やがて産卵し
ます。こんな生命のサイクルが回りだせば自然再
生の始まりです。
沖縄本島のほぼ真ん中に位置す
る恩納村で親サンゴを育て、海流にのせて沖縄の
全海域に卵を届けることは、サンゴ礁の海を生き
返らせるという壮大なプロジェクトなのです。


サンゴの産卵


井ゲタ竹内の味付もずくの売上げの一部がサンゴ植樹に活用されます。